アニメ業界で「タイムシート」といえば、もちろん勤怠を管理する「タイムカード」のこと・・・ではありません!
原画や動画、カメラワークなど、アニメ制作で重要な情報を、前の行程から後の行程へと伝えていくために使われる表のことをタイムシートと呼びます。
ということで、今回はこの「タイムシート」について勉強したことをまとめていきます!
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冒頭で説明した通り、タイムシートは前工程から後行程へと情報を伝えていくために使われます。つまりはアニメ制作における指示書のようなものです。
この表に指示や注釈を書いていくことで、次に作業をする人がその指示書通りに作業を行えばアニメが作れるようになっているのです。これによって、いちいち前工程の人に全てを確認しなくてよいので、作業がスムーズに行えます。
前行程が後行程へというのを具体的に言えば、まず原画マンが動画マンに対する指示を記入し、動画マンはそれを見ながら原画のトレスや中割りを仕上げます。そして動画マンが追記したタイムシートを元に、撮影担当者さんが特殊効果などを加える、といった具合です。
複雑な作業が多く、関わる人の数も多いアニメ作品を作るにあたり、その作業を少しでもスムーズに行うための共通言語としてタイムシートが使われているわけです。
言葉で説明してもわかりづらいと思います。一般的なタイムシートとは、こういったものです。
この、表になっているシートのマスを使います。
縦方向に時間軸を表していて、どのタイミングで、どれだけ、どの絵を入れるか。そこにどういう効果を加えるかということが記入されます。
1マスがそのままアニメの1コマになっていて、24コマでアニメ1秒分になるように使っていきます(これは、多くのアニメが1秒間24コマのフレームで構成されるためです)
おそらく現場によって多少の違いはありますが、基本的に一番左の「アクション」の欄に原画と中割りの指示を書くスペースがあります。その右隣にはセリフを書くための台詞欄、さらに右隣に「セル」欄(動画のタイミングを記載する欄)があります。そして、その右にカメラワークと続きます。
こちらが、タイムシートに簡単な内容を記入してみた例です。
A, B, C, Dと振られたアルファベットは、セルのレイヤーを表します。Aが1番下に、そしてB、Cとなるにつれて上に重なるレイヤーを意味します。
アクションを記載する欄の丸で囲まれた数字は、原画がある部分です。そして、同じ欄の点は中割りを書く部分を意味します。この部分を、原画マンが指定します。
そして次に、動画マンがセル欄に動画の番号を振っていきます。原画が「①→・→・→②」なら、対応する動画は「①→2→3→④」になります。したがって、原画の数字と動画の数字はズレるわけですが、これで動画の管理がしやすくなります。
「2」と「3」には○をつけません。これは、これらを中割り部分と認識できるためです。