「カメラマップ」という言葉をご存知ですか?
これはアニメに限らず、デジタル映像の分野で使われる撮影手法のことで、2Dの画像素材を使って、奥行きを感じるような、三次元的な、ダイナミックな映像表現を行いたいときに使われます。
例えば、1枚の写真をいくつものレイヤーに分割した上で、レイヤーをあえてズラしながら動かすことによって目を錯覚させるような使い方です。
このカメラマップという手法が近年ではアニメーションにも使われるようになり、注目を集めていると聞きました!
ということで、今回はこの「カメラマップ」について勉強したことをまとめていきます!
アニメ制作ソフト『Harmony』の無料体験版と、絵コンテソフト『Storyboard Pro』の無料体験版を配布中です。簡単な申し込みフォームで、今すぐに始められます。利用期限はありません!クレジットカード登録など、煩わしい手続きも一切不要 !ぜひ一度、まずはお試しください!
みなさん、冒頭の説明でなんとなくイメージできましたか?
文字だけではなかなか伝わりづらいと思いますので、まずはカメラマップ技術を使った映像作品の実例を見ていただこうと思います!
例えばこちらの動画。
動画内のひとつ目の事例では、住宅の写真をレイヤー毎に切り出した上で、CGで作ったデジタル上の住宅の模型に写真パーツを貼り付けた(プロジェクションマッピングした)上で、更にほかのエフェクトを加えながら撮影しています。
その結果、ただの写真だったものがまるで映画のような映像に生まれ変わります。
この技術を絵に落とし込んだものが、こちらです。
大英博物館が、葛飾北斎の展示をした際に制作したプロモーションビデオだそうです。通常、動くはずのない北斎の絵を、カメラマッピング技術にて巧みにダイナミックに動かすことで、元の作品の魅力にさらなる魅力を追加している点が面白いポイントです。
次に、この技術をデジタルアニメーションの分野で活用した事例をご紹介します。
『CGWORLD』が2016年に公開した記事『気鋭のアニメ制作会社・スタジオコロリドによるデジタルアニメーションアプローチ』の中で紹介した内容によると、アニメ制作会社スタジオコロリドがYKK社向けに制作した短編『Fastening Days』内で、このカメラマッピングを使った事例を説明されています。
詳しくは『CGWORLD』の元記事に記載されていますが、ざっくりまとめると、この作品ではCGでモデルを作った上で、そのモデルに絵をプロジェクションマップして撮影したカットがあるそうです。
記事内ではまさにこの船がぶつかりそうになりながらすれ違うシーンが紹介されています。
迫力あるシーンですね!