近頃、ニュースを見たりお客様とお話しすると、新型コロナウイルスの影響で、海外の下請けスタジオに動画・仕上げを頼みづらくなったり、上がりが遅れてしまうという話が聞こえてきます。
他方、最近「動仕」を数多く請け負う日本のスタジオさんから、弊社のHarmonyを使って日本スタイルの仕上げを行う方法について質問されることが多いので、少し前にチュートリアル動画を作りました。
この動画、制作後しばらくはお問い合わせをいただいたスタジオさんのみへの公開としておりました。しかし、もしかしたらHarmonyでの仕上げ方法をご紹介することが、現在お困りの日本のスタジオの助けになるかもしれないので、この動画を一般公開することにしました。
もちろん、新型コロナウイルス蔓延の影響で生じているアニメ制作の難しさと、「Harmonyだとこんな形で仕上げができます」という情報は直接的には関係がないかもしれませんが、その道のプロフェッショナルな方に見ていただけば、何かのきっかけになるかもしれないと考えて公開させていただきます。ぜひ、何かアイデアを思いついた方がいらっしゃれば(「自社でできないかテストしたい」とかでも結構です)お気軽にご相談ください。
Toon Boom 日本支社 本件の問合せ窓口
sales@toonboom.co.jp
※記事の下部に、手順をテキストで書き起こしたものを掲載します。
これまで、私たちがスタジオさんからよく耳にしてきたのは、「今使っているソフトは開発が止まってしまい、このまま使い続けることに不安があるため、常に最新に更新されているソフトを探していた」「アニメが高画質になると、ビットマップのツールでは難しい。ベクターに強いアニメ制作ソフトで仕上げがしたかった」というような言葉でした。
このいずれのニーズにも、自信を持って「Harmonyなら安心です」と言えます。Harmonyはおよそ1年に1度のペースでメジャーアップデートされ続けていますし、たくさんの大きなスタジオが使っているのでこれからも開発は続けられます。
また、Harmonyのベクターラインは描き味がよいと評判です。日本のように、まだまだ動画までは紙で仕上げることが多いという場合でも、綺麗にベクターでスキャンすることが可能です。つまり、Harmonyなら「拡大しても荒れない」「データが重くなりすぎない」という点で、高画質化に耐えやすい仕上げ作業ができます。
さらに、Harmonyを使った仕上げのその先の可能性として、「仕上げ後に動かす」ということが挙げられます。
これがいわゆる、「カットアウト」という技術のひとつでして、難しくなるので深くは語りませんが、Harmonyなら線(ベクター情報)と色が連動しますので、仕上げをしてから絵を動かす(もしくは微調整する)なんていうことも可能になります。日本のアニメ制作工程の名称を使い、誤解を恐れずに言うと、仕上げをしてから動画をすることも可能ということになります※
この選択肢が、実際の作業現場でどのように生きてくるかはアイデア次第ですが、切羽詰まったときに複数のオプションがあることは、スタジオを助けてくれるかもしれません。
現実には、ただツールを導入すれば全部解決!というわけではなく、ある程度の計画性や知っておかなければいけないことなどもあるので、もし興味があればお気軽にご質問ください。
なお、「Harmonyは扱うのが難しそう」と言われることもありますが、仕上げのためのトレーニングは半日〜1日程度あれば完了しますので(正確には、現場のニーズとデジタルの習熟度によります)、あんまり構えずにまずはご相談ください!
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さて、それでは最後に、動画で説明した内容をテキストでも書き起こします。動画(上に埋め込みました)の方が見やすいと思いますので、最後はそちらを見ていただきつつ、もし概要だけでもざっくり知りたいという方は下記の見出しをさらっとご確認ください!
①まずは、動画用紙をスキャンします。
②次に、スキャンした画像をHarmonyにインポートします。
③スキャンに含まれた不要な部分(ゴミ)を取り除きます。
④閉じていない線を閉じます。
⑤ペイントツールで、順番に色を塗っていきます。
補足
※カットアウトで絵を動かす方法は、日本の動画のように全部の絵を描くわけではないため、正確には「動画」ではありません。ただし、広義で動画の意味を捉えた場合に、「絵を動かすこと」だと理解するのであれば、Harmonyは仕上げの後に動画を行うことができる、あるいは動画をしながら仕上げができる、ということができます。