Toon Boom日本支社は、Toon Boomのソフトウェアと日本のクリエイターたちの関係にフォーカスしたインタビューシリーズ『Toon Boom Interview Files』の連載をスタートします。第1弾となる今回は、2022年春にTOKYO MX、BS11で放送されたTVアニメ『ヒーラー・ガール』の原案・監督を務めた入江泰浩氏のインタビューをお届けします。 入江氏が、「今作の肝であるミュージカルシーンの実現に大いに役立った」と語るように、彼の制作に欠かせないツールだった絵コンテソフトStoryboard Pro。本記事では『ヒーラー・ガール』の事例からStoryboard Proの可能性についてお聞きしました。 続きを読む »
Harmonyサーバーとは?制作データの受け渡しが楽になるツール!
「アニメ制作のデジタル化」とひとことで言っても、いろんな類のデジタル化があります。
例えば、アニメの制作工程の中で仕上げと撮影は、日本でもいち早くデジタル化が進められた分野で、1990年代中盤には東映動画が仕上げのデジタル化に取り組んでいます。あるいは「作画にCGを取り入れる」というのもデジタル化のひとつの方法です。
そしてアニメ業界では、いよいよ作画を含めた総合的なデジタル化を検討するスタジオが増えてきましたが、その際に考えたいのが「なぜ、デジタル化するのか?」ということでしょう。デジタル化で達成したい目的によって、選ぶべき制作ツールが変わるからです。
Toon Boomをメインツールに選ぶメリットは?
Toon BoomのHarmonyやStoryboard Proも、その選択肢のひとつではあると思います。では、デジタル制作ツールとしてToon Boomのツールを導入する理由はなんでしょうか?
やや抽象的になりますが、Toon Boomが提供するツールの特徴は、デジタルのメリットを最大限に生かして、制作全体の効率化とそれに伴うクオリティの向上ができるところです。
例えば動画の作業のみをデジタル化した場合、確かに素材のやりとりはデータで完了するので、以前より効率化されるはずです。しかし、完成した素材をひとつずつメールで集めていたら、結局のところ制作進行と担当アニメーターとの1対1のやり取りになり、まだデジタルの魅力を最大限に生かしているとは言えません。
これを回避するために、ITチームを用意して独自サーバーを立て、サーバー内のフォルダで素材を管理するスタジオもあります。これで、制作進行の負担はだいぶ軽くなります。
しかし、初めからアニメーターが使用するツールと連携していない独自のサーバーは、個別の管理が大変だったり、場合によってはアニメーターの混乱を招く場合もあります。
この課題を解決し、デジタルならではの素材データのやり取りしやすさを活かすツールがあります。それが「Harmonyサーバー」です。
Harmonyサーバーなら、現場に最適化されているので迷わない!
まずはじめに、誤解されやすいので明確にしておきます。Harmonyサーバーというのは、サーバー本体ではありません。クラウドサーバーのサービスでもありません。
スタジオ内に立ち上げたローカルサーバーや、スタジオが契約したクラウド上のホスティングサービスの中にインストールすることで、Harmonyで扱う素材の管理がグンと楽になる補助ツールです。
Harmonyサーバーを導入するメリットは、次の2つです。
①Harmony上からサーバーにアクセスし、サーバー内の素材をシームレスに扱うことができる
例えば動画マンがHarmonyもしくは別の作画ソフトを使って作業をすると想像してください。
通常ですと、まず自分に指示された作業を始める際に、そのカットに必要な原画や素材一式を制作進行からメールでもらったり、サーバーから自分でダウンロードする必要があります。そして、ツールにインポートしてから作業開始です。
そして作業が終わり次第、今度は自分の担当カットを再びメールで送り返したり、サーバーにアップロードして、作業の完了報告をします。
しかし、Harmonyサーバーをサーバーにインストールして、パソコン内のHarmonyと連携させて使えば、動画マンはHarmonyを起動すればその中に必要な素材一式が揃っている、という理想的な状態から作業を始められます。その結果、この作業者は描くことに専念できます。
そして作業が終わった後も、Harmonyで保存した内容はそのままサーバーに反映されるので、保存されていることを確認してそのままHarmonyを閉じることができます。
これがひとつ目のメリットです。
②インターネットブラウザから直接アクセスできる(アカウントを持たない人もOK)
Harmonyサーバーの導入は、Harmonyサーバーのアカウントを持たない作業者にもメリットがあります。
Harmonyサーバーに付帯するHarmony Web CCというツールを使えば、ブラウザから素材データにアクセスしてダウンロードとアップロードが可能になります。
例えば、制作の中心を担う作業者にはHarmonyとHarmonyサーバーのライセンスを付与して業務効率化をはかり、それ以外のフリーランスを含む作業者にはブラウザ経由で素材にアクセスしてもらう、というような運用が行えるのです。
業務の効率化は、品質の向上に繋がる
このように、制作進行、原画、動画、仕上げ、撮影、背景、3DCGと、関わる全員に恩恵があるのがHarmonyサーバーの特徴です。
全体の業務効率化をすることで、制作全体のスケジュールが立てやすくなるので、本当に作画のクオリティを高めたいカットに時間と人員を回しやすくなります。
北米のスタジオはこのような手法にいち早く取り組んできていくつもの事例があります。もちろん日本とは状況が違うことを大前提として、しかし何か参考事例の提供ができる可能性がありますので、気になる方はお気軽にご連絡ください。
導入はToon Boomが完全サポート
最後にHarmonyサーバーの導入方法です。
スタジオによってワークフローや素材管理方法は異なります。そのスタジオごとの最適な形で使っていただくために、HarmonyサーバーのインストールはToon Boomが完全サポートいたしますのでご安心ください。
導入までの詳しい流れは弊社の営業がご説明しますので、Harmonyをすでに使用しているスタジオも、これから導入を検討されているスタジオも、お気軽にご質問ください。
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メール:Sales@toonboom.co.jp